先日、1冊の本を読み終えた。 『語れ、内なる沖縄よ わたしと家族の来た道』(エリザベス・ミキ・ブリナ 著 石垣賀子 訳)みすず書房 沖縄出身の母とベトナム帰還兵である白人のアメリカ人の父とのあいだに生まれ、アメリカで育った著者。アジア人の母を軽んじその背景にある沖縄も長年遠ざけてきたが、歳を重ねさまざまな経験をするなかで、しだいに母に対する思いが変わっていく。そのような著者の半生が、沖縄の歴史とともに自身の言葉で綴られている。 著者の語りに引き込まれてぐんぐんと読んだ。何度も心を大きく揺さぶられる。リアルに描かれる娘と母、娘と父、母と父、そのほか著者と著者にかかわる人たちとの関係。そのなかで、…