話に出てくる、ボーディサッタとは「のちに仏陀になるはずの人」という意味で、お釈迦様の前の世の姿のこと。 内容 むかしむかし、ブラフマダッタ王が、ベレナスの都で国をおさめていたころのことです。ボーディサッタがバラモンの家の子どもに生まれてきました。そしてセーナカ少年と名づけられました。年ごろになるとタッカシラーへいって、さまざまの学問をおさめ、やがてベレナスへ帰って、王さまにお目どおりしました。王さまはセーナカに大臣の役をさずけて、たいそうだいじになさいました。そこでセーナカは、国をおさめる上にも、身のおこないについても、なにくれとなく王さまを教えみちびいていました。 セーナカはたいそう説教がじ…