読んだ。 意識と目的の科学哲学 (慶應義塾大学三田哲学会叢書) 作者:田中泉吏,鈴木大地,太田紘史 慶應義塾大学出版会 Amazon 意識を含む生命現象を機械論(目的論を機械論的な自然選択説に還元する「目的律teleonomy」)で説明し尽くすことはできない。生命現象を説明するためには、アリストテレス的な目的論、つまり、個々の生物には目的指向的な性向*1が内在する、とする考え方を、機械論には還元されない自律的な説明様式として採用する必要がある。 生物個体ごとの目的指向性には差異があり、その差異が目的指向性自体の進化をもたらす。生物が進化する中で、環境からの刺激に反応して柔軟に行動する能力が進化…