毎週土曜日の日経新聞朝刊には文芸コラムや新書紹介のページがあり、現在梯(かけはし)久美子氏が「この父ありて」というコラムを書いています。9月25日は辺見じゅん(1939-2011)を採り上げたコラムの第一回目でした。ノンフィクション作家であり歌人でもあった辺見は、角川書店創業者・角川源義の長女、春樹・歴彦の姉です。父源義が癌で急逝した折、築地本願寺で営まれた社葬(葬儀委員長・松本清張)に、直後に家を出た辺見の姿はなかった、ということです。久しぶりに辺見じゅんの名前を見、これまた久しぶりに彼女の代表作「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を手に取って再読し、感動を新たにしました。 この本は、シベリア…