前回の続きです。『「新しい博物学」の時代』の中の表記に引っ掛かりを感じた私は、以前書きました「卵」から数年後、また教科書会社に電話をしてみました。ただし、今回の電話は正直「ツッコミを入れるのは野暮な内容」であることは重々承知の上でした。専門家である筆者は絶対に分かっているはずなのに、あえてドラマチックな展開にするために、そのような表記にしたんだろうな、と想像しつつも、どうしてもツッコまずにはいられなかったのは、私の性格の悪さが如実に現れた結果だと自認しています。さて、私が引っかかった表記は以下の部分です。 「定家の記録と最新の技術とを合わせることによって、超新星爆発が起こった年が一〇五四年とい…