三人は歩いて湖に向かった。 途中、シロクンヌは道をそれ、山の斜面を駆け登った。 一度姿が見えなくなったが、すぐに戻って来た。 大きな肉芽をつけたムカゴの蔓(つる)が腰に巻かれ、 手には背丈ほどの長さの、細い枝が握られていた。 ムカゴ 歩きながら枝の両端を削ると、 フトコロから弦(つる)を取り出し枝に結び、たちまち弓を作った。 そして手近な樹の枝を一本折ると、小枝を掃(はら)った。 まあまあ真っ直ぐな枝だ。 その枝の幹に近い側を少し削り、 先端側を折って、近くの石に擦りつけ平らにした。 矢のつもりらしい。 平な方に爪で溝をつけ弦につがえると、 少し離れた斜面の落ち葉に向かって矢を放った。 矢は癖…