谷釜尋徳氏の江戸の女子旅―旅はみじかし歩けよ乙女―を読んだ。この現代的なタイトルを見て、「江戸時代に若い女性だけの旅はないだろう。どんなことが書かれているのだろう?」と思って、読んで見た。このタイトルはミスリードだ。著者にはそのような意図がないのかもしれないが、私は誤解してしまった。本書で取り上げられている女子旅というのは、江戸時代に旅をした人物が遺した日記22件の中に登場する女性達のことで、必ずしも日記の書き手が女性というわけでないものもある。しかも、やはりというか女性だけで旅をしたケースは本書では取り上げられていない。また女性の年齢も20代、30代もあるが、圧倒的に40代半ば以降のようなの…