<都の100年企業> 創業から101年の運送会社「豊多摩(とよたま)通運」(杉並区)は、電話機などの通信機器を中心に、美術品や鹿児島・種子島宇宙センターの地上設備の輸送も担ってきた。3代目の井上和英社長(73)は「荷物を担いで、汗かいて。地道に信頼、信用を得てきた先人の知恵を引き継いでいく」と語り、物流業界の激変を乗り越えて次の100年を目指す。(石川修巳) 今後の経営の在り方について話す井上和英社長(右)と泰志専務=杉並区で ◆馬に大八車の時代 新宿で創業 創業は1923(大正12)年。井上社長の祖父、金六さんが新宿で、前身の「豊多摩運送店」を始めた。当時は馬に大八車を引かせて貨物を運ぶ時代…