この人生で、走馬灯は何回見られるか。生前オットと話したことがある。「そんなンは一回でええじゃろう!」あたしが言うと、オットは落ち着いた声で、「さちこ、走馬灯は何回でも見ればええ。何回も見れてるちゅうことは、前回の走馬灯で死なんかったといえる。次見て、死んでなければ、また見れる。何回見ても、走馬灯はええもんじゃ〜」「なんでえよ」「一瞬にして人生で経験したおもれえことを、追体験できて、頭ん中を駆け巡るんや。しかも、二度と会えん思とうた人に会えるんぞ?のんびりしてられんぞ。あ、あ、あ、あーーーちゅうまに終了やけぇな」そうやって、走馬灯を何度も見る、という催眠?暗示?をあたしにかけたまま、オットは走馬…