足柄山というと金太郎伝説が思い出される。その金太郎の育ての親は山姥とされる。 能に「山姥」という曲がある。 よし鬼なりとも人なりとも 山に住む女ならば わらはが身の上にてはさむらはずや 足柄の山姥については、山中の足柄明神に仕えた巫女であるとされる。実は古代から中世にかけて足柄は交通の要衝だったらしい。巫女の残像が山姥に変容したのだろう。 その巫女の伝えた芸能の一つが「今様」の「足柄」だという。 【仕舞】 山姥 梅若基徳 【日本語字幕あり】 yamanba 足柄は秘曲であり大曲であり、アシガラ十首と称されていた。残念ながら「梁塵秘抄」にもそれは残されていない。 「足柄は神歌にして」とあるように…