年に一度の贅沢をさせていただく。 従兄から、変り蒲鉾のご恵贈に与った。上越市の製造元による創作蒲鉾で、蒲鉾を芯にして焼鯖を巻いたもの、鮭を巻いたもの、焼き穴子を巻いたものの詰合せだ。私にとっては年に一度しかお眼にかかれぬ珍品である。 従兄弟従姉妹の会とでも称ぶべきものがもしあるとすれば、衆目の一致するところ長老にして会長は彼だ。他には考えられない。 地方公務員として勤め上げながら、先祖伝来の田畑と家屋敷とを守りとおした。二棟あった伝来の土蔵のうち一棟が、新潟地震で歪み半壊となったさいには、英断をもって始末した。なまこ壁様式による古蔵の修理は、現代の建築技術をもってしてはむずかしいとのことで、新…