選挙があるたびに問題となる投票率低迷の問題。たしかに由々しきことだと思いつつも、どうも納得できないものがある。民意とはどのようなものなのか。それは一般意志と同一なのか。それはどのような理論や制度によって成り立っているのか。 大昔に読んだ宮崎哲弥「民主原理主義考」という評論がある。『憂国の方程式』(2001)収録、初出は『発言者』1998年1月〜3月号である。 宮崎哲弥は学生時代に「絶対的民主主義政党綱領」なる文書を捏造し、ゼミで議論したという。文書自体は紛失したが、評論では記憶に従って政策提言の部分を紹介している。一部引用する。 「わが『民主絶対党』は、戦後一貫して、保守および革新勢力によって…