第二章 野口整体の生命観と科学の生命観 ― 東西の自然観の相違より生じた生命観の違い(自然治癒力の有無) 今回から第二章に入ります。「東西」とは、東洋と西洋ということですが、自然観・生命観という文化的な背景が、普遍的・客観的とされている近代科学の観方にも反映されているという内容です。 以前、梅原猛氏による西の文明を「小麦とチーズの文明」、東の文明を「米と魚の文明」と言う喩え話を紹介しましたが、生活の糧を得る手段も、自然とのかかわり方も異なっているのが西と東の文明です。 もちろん世界には南北アメリカ大陸、アフリカ大陸、海洋諸島などがありますが、ここでは西洋の自然観と生命観の特異性と近代科学の関係…