最初の1ページを読んで「あれ?」と思う。マンガ好きでその割引のために本屋に勤めるどことなくダサい主人公が友達と今風に喋っている。 キタハラ作品はだいたいキャラクター文芸を装った私小説だと思っていて、マンガよりも20世紀文学を片手にしていて、ハイブランド好きで交友関係はやや性的。そういう感じが一切見えない。 遅番にやらせとけ 書店員の逆襲作者:キタハラKADOKAWAAmazon しかし少し読み進むと、どうもそれらしい雰囲気の人間が現れて、それがあれだとわかる。1章読み進むと書店の別の同僚に視点が切り替わるが、やはり書店遅番で大学生に混じってアルバイトする謎の30代店員庄野が中心だとわかる。 庄…