遺伝的浮動

Xで連載していた，著書の『いきものの「種」はどのように決まるんだろう』の内容の紹介を以下に示しておきます． https://www.amazon.co.jp/dp/B0CMQ5ZXJS ・表紙について 表紙の写真はブダイと，そのブダイに付着した寄生虫を食べるホンソメワケベラという魚です．これは2種が相利共生していることを示す生態展示になっています．京都大学白浜水族館で撮影しました． 魚類のうち結構な種類のものが，ホンソメワケベラを発見すると近寄って行きます．寄生虫を食べてもらう魚はその寄生虫を食べてもらいたい体の部分をホンソメワケベラに差し出したり，全身を硬直させてホンソメワケベラを受け入れま…

著者：石川 博［いしかわ・ひろし］(1956-) ソーシャル・ビッグデータ、データベース、知能情報学、Web情報学。 Cover Design：小山 巧［こやま・たくみ］ Shiki Design Office 件名：ビッグデータ--データ処理 件名：仮説 NDC：007.609 情報学．情報科学 >> データ処理．情報処理 >> データ管理 仮説のつくりかた - 共立出版 仮説のつくりかた: 多様なデータから新たな発想をつかめ作者:石川 博共立出版Amazon 【目次】 口絵写真（17枚） [/] はじめに（2021年8月 柿生にて 石川博） [iii-iv] 目次 [v-vii] 第1章 …

ダーウィンの呪い (講談社現代新書)作者:千葉聡講談社Amazon 本書は千葉聡による「ダーウィンの自然淘汰理論」（特にそれが社会にどのような含意を持つかについての誤解や誤用）が人間社会に与えた負の側面（本書では「呪い」と呼ばれている）を描く一冊．当然ながら優生学が中心の話題になるが，それにとどまらず様々な問題を扱い，歴史的な掘り下げがある重厚な一冊になっている． 冒頭ではマスメディアがしばしばまき散らす「企業や大学はダーウィンが言うように競争原理の中でもまれるべきであり，変化に対応できないものは淘汰されるべきだ」という言説を，まさに「呪い」であると憂いている．そしてそれが「呪い」であるのは，…

This is the Japanese translation of this site. Evolution News2023/9/22 15:39 進化論者のローレンス・モランが、「Richard Sternberg says ENCODE disproved junk DNA, therefore intelligent design」という記事を書いています。この投稿は、デイヴィッド・クリンホファーがこちら (「In Debate on Intelligent Design, Critic Cites Dragon Legend to Justify Evolution's Fail…

生物の環境適応と進化〜遺伝子の多様性と生存戦略〜生物は、自分の生活環境に合わせて進化し、生存していくためのさまざまな戦略を持っています。その中でも、遺伝子の多様性が生物の環境適応や進化において重要な役割を果たしています。本記事では、生物の環境適応と進化の仕組みについて、具体的な例や比喩を使いながら分かりやすく解説していきます。1. 遺伝子の多様性とは何か？遺伝子の多様性とは、生物が持つ遺伝子の種類やバリエーションのことです。遺伝子はDNA上に存在し、生物の特徴や機能をコードしています。遺伝子の多様性があると、生物は環境の変化に対応しやすくなります。2. 自然選択と生物の環境適応自然選択とは、生…

進化の証拠とメカニズム～化石と遺伝子の解析進化とは、生物が時間とともに変化していく過程です。この進化の仕組みや証拠について、化石と遺伝子の解析を通じて説明していきます。高校生の皆さんも日常生活で触れることの多い進化について、分かりやすく解説していきます。化石の発見～過去の生物の姿を追う最初の証拠として、化石の発見があります。化石は地層から発見され、地球の過去に生息していた生物の形や構造を残しています。例えば、鳥類の祖先である「アルケオプテリクス」の化石は、翼を持ちながらも、鱗状の羽毛や歯を持つという現代の鳥とは異なる特徴を持っています。このような化石の発見は、生物の進化においてどのような過程が…

・ ・ ・ 関連ブログを６つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ ｛東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博｝・ ボトルネック‐こうか〔‐カウクワ〕【ボトルネック効果】 隔離された生物集団の個体数が、環境変化や病気の蔓延などによって著しく減少したとき、生き残った集団の遺伝的浮動が促進されること。遺伝子頻度は祖先集団のものとは異なるが、均一性の高いものとなる。瓶首へいしゅ効果。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 ・ ・ ・ ２０２３年９月５日 ＭｉｃｒｏｓｏｆｔＳｔａｒｔニュース ギズモード・ジャパン「約81万年から93万年前の更新世には、人類はわずか1,280人まで減少してい…

Uncovering the Mysterious History of Homo Erectus| Our Ancient Ancestors 動画 YouTube https://www.youtube.com/watch?v=t95_-Xc48gs ホモ・エレクトス ホモ・エレクトスの弱まった顎と歯の咀嚼形態は肉食と石器使用の効果、実験で明らかに 2016.04.01 楽天ブログ 約200万年前には東アフリカに出現していたホモ・エレクトスは、それまでのどんなヒトより大きな脳と体躯を持っていた。 それにもかかわらず、小さな歯、退縮した咀嚼筋という食物を噛む力の弱化が見られ、さらに残された骨…

生物学の哲学に関する本をキレながら読み、修士（生物学）程度の知識で分野としての意味のなさをあげつらおうという企画。 題材 「進化論はなぜ哲学の問題になるのか 生物学の哲学の現在」 第１章 自然選択の単位の問題 読書前の感想 自然選択がどの範囲で作用するかは生物学の諸分野の研究結果からのみその時点での結論が出るもので、実際の生き物を見ないままにうだうだ考えていても何も有意義な議論は出ないのでは（これは私の狭い認識の中で、すべての科学哲学的な議論に思うことである）。 読後 ・「selection for X」やら「selection of X」やら、トークンやらタイプやら、好き勝手言葉を（あいまい…

生物学者のための科学哲学勁草書房Amazon 本書は生物学にかかわる科学哲学の主要トピックについて科学哲学者や科学史家たちが解説したもの．編者は科学哲学者のカンプラーキスと生物学者のウレルで，書名にもあるように想定読者としては生物学者が念頭に置かれている． これまでの生物学の科学哲学の入門書だと「種とは何か」「自然淘汰の単位は何か」「系統樹の推定はどのような営みか」「利他行動の進化とマルチレベル淘汰」「発生システム論」などの個別の各論のトピックが主要テーマになっているものが多いが，本書が取り上げるものは必ずしも「生物学の科学哲学」に限らないということで，「説明」「知識」「理論とモデル」「概念」…