3月10日の東京大空襲に『余録(250309)』は思う▲約10万人が犠牲になった東京大空襲と前後して、市街への空襲は全国に広がる。戦時中の政府は防空法の下、避難よりも消火に努めるよう国民に義務づけていた。焼夷弾を過小評価し「空襲恐れるに足らず」という虚構が押しつけられた▲民間人を標的にした無差別攻撃と、避難の軽視。命が軽んじられ惨禍を広げた80年前の全国での空襲である▲米軍で東京大空襲を指揮したカーチス・ルメイ司令官には64年、航空自衛隊育成に貢献したとして勲一等旭日大綬章が授与された▲一方で、空襲被害者の救済を求めた議員立法はまだ制定実現をみていない。「3・10」は決して、過去の話ではない。…