本稿は後進の将来の研究用の支援になれば幸いと考え掲載しておくものである。豊後佐伯藩の郷村と石高について絵図と共に示す。江戸幕府が国絵図とともに作成させた一国(旧国)単位の郷村高帳による。郷帳は慶長、正保、元禄、天保の四回作成されている。今回は最後に作成された天保郷帳による。因みに全国諸藩の郷帳、絵図も現在に残っているので同様の検証が可能と思われる(原本85冊)。 豊後佐伯藩城下図 豊後国には八郡が置かれていたが、その内の海部郡、且つ当郡に知行地を持つ佐伯藩について整理した。現在の佐伯市の前身となる藩であるが、当時は隣の津久見市の半分ほども佐伯藩の領国であったが、本稿においては現在の佐伯市に限定…