前回は、「意味性認知症」についてご紹介し、その主要な症状である「失語」症状が「難聴」と間違われやすいことと、「失語」症状は少しずつ進行していくために「意味性認知症」はある程度進行するまで、周りの人たちには気付かれにくいということをお話ししました。 今回はその続きになります。 いわゆる「都合耳」じゃないですか? まず、前回の話の補足から始めようと思います。 前回お話ししたように、話が相手に伝わらない原因が「難聴」だけであれば、こちらが話す声の大きさを変えない限り、相手にはすべての話の内容が伝わらないはずです。 しかし、あえて同じ声の大きさで問診やテストを行った時に、質問によって「伝わるもの」と「…