岩波文庫166、167ページ「しかあれば、句中取則(くちゅうしゅそく)し、言外求巧(ごんげぐぎょう)する再三撈摝(ろうらく)、それ把定(はちん)にあまれる把定あり、放行(ほうあん)にあまれる放行あり。その功夫は、いかなるかこれ生、いかなるかこれ死、いかなるかこれ身心、いかなるかこれ与奪、いかなるかこれ任違。それ同門出入の不相逢(ふそうふ)なるか、一著落在(いちじゃらくざい)に蔵身露角なるか。大慮而解(だいりょにげ)なるか、老思而知(ろうしにち)なるか、一顆明珠(いっかめいしゅ)なるか、一大蔵教なるか、一条挂杖なるか、一枚面目なるか。三十年後なるか、一念万年なるか。子細に撿点し、撿点を子細にすべ…