はじめに― 現代における野口整体の社会的立脚点を定める 一般社団法人 野口整体 気・自然健康保持会 代表理事 金井蒼天 1 野口晴哉生誕百年と大震災― 医療に依存せず「自身の生命力を拠り所とする」生き方を考える 野口整体を創始した師野口晴哉(1911年9月7日生)は、1926年(大正15年)4月、東京入谷に道場を開き、当時の近代医学では救われない人々のために、本格的に活動を始めたのです。 それは、1923年(大正12年)9月1日の関東大震災直後の混乱時、12歳の野口少年が「手当て」を行ったことが発端でした。 上下水道が壊滅した被災地東京では、赤痢やチフスが急激な勢いで蔓延し、下痢に苦しむ多くの…