3 日本人の「意識と無意識の分離」と「道」の喪失 デカルトに始まった近代合理主義哲学は、意識から、感情や感覚、身体(無意識)を切り離し、「理性」を発達させてきました。 こうした理性により、客観性を重視する近代科学は発達したのですが、科学的世界観が心の深層にある「無意識」の存在を無視して発展してきた(註)ことにより、社会に神経症や精神病という心の病気が広がってきたのです。 これに対処する臨床的立場から生まれてきた実際的な研究(無意識の研究)が、医師であるフロイトやユングによってなされたのでした(深層心理学の発達)。 (註)近代合理主義哲学により、「心とは理性」となったことで、理性以外の心が「無意…