現代科学論・科学史・フランス科学認識論。 1954年(昭和29年)8月4日、生まれ。2016年(平成28年)5月26日、死去。 札幌市出身。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。 筑波大学現代語・現代文化学系助教授、東京水産大学水産学部助教授などを経て、、東京大学大学院教育学研究科教授を務めた。 著書『フランス科学認識論の系譜』(勁草書房)、『バシュラール−科学と詩』(講談社)、『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会)。
おとといの金曜日、背の高い扇風機を押し入れから出し、 ついでに(と軽い気持ちで)押し入れの中を片付ける ことにした。 ヘロヘロになり、夕方には腰痛もでてきて、動けなく なってしまった。 ほんとに体力が落ちた。 自分にげんなりし、一日がんばったわりに片付いて いない押し入れを見て、ますますげんなりする。 フリフリのレースが付いた真っ白のエプロンが2枚。 たぶんお祝いでいただいたものだ。何回か着たが、 さすがにもう着ないと思い処分することにした。 レースはきれいなので、ほどいて置いておくことにする。 こうやってこまごましたものが増える・・・ 「病魔という悪の物語 チフスのメアリー」(金森修 著)を…
自然主義の臨界 作者:金森 修 勁草書房 Amazon 『自然主義の臨界』金森修著を読む。 前々から気になっていた作者の本、初体験。どうも理系と文系をトランスクリティークする人に興味がある。思ったより読みやすい文体。 たとえば、鈴木貞美の『大正生命主義と現代』に触れ、大正生命主義が出て来る。ぼくは図書館で借りて読んだが、何よりも大正生命主義のポジショニングマップが素晴らしい。大正時代が俯瞰できる。ここだけでも、眺めてほしい。 大正と今は通底することが多い。だからといって、すぐさま恐慌→戦争になるとは思わないけど。マッピングは考え方を整理するのに役に立つ。たとえばネーミングだったら、全体のバラン…
先日、妻とジュンク堂で本を買い漁ってたら、岡ノ谷一夫先生が『脳に心が読めるか? ―心の進化を知るための90冊』という本を出していたことを知った。出版は2017年なんで、別に最近でもなんでもないんだがな。俺も同業者の中では、まあまあ本を読むのは好きな方だと思うが、「心の進化を知るため」みたいに目的を設定して90冊を挙げられるほどの読書家ではない。いやはや恐れ入る。 とはいえ、俺はちょうど、2025年3月でもって、大学院に進んで10年が経つことになる。本格的に研究を始めて10年というのは、これまでを振り返るにはちょうどいいタイミングかもしれない。さすがに人生の1/3くらいを振り返れば、多少は誰かの…
かつてユダヤ教の世界で,魔術の修得の証とされた人造生命〈ゴーレム〉.その不遜で不敬な夢は,形を変えて現代科学のうちに継承され,現実のものとなりつつある.いま,命の在り方が根本から問い直される.二一世紀,倫理は新たな局面へ‥‥生命創造の「実現」によりもたらされる未来とは――. ゴーレムは,神話や伝説を超えて,人間の創造力,技術の限界,そして倫理の問題を映し出す象徴的な存在である.その起源はユダヤ教の秘教的伝承に遡り,土や泥を用いて生命を創り出す試みとして語られる.神の力を模倣し,人間が自己の限界を超えようとする創造行為の過程と結果は,過去から現代に至るまで,私たちの文化や思想に多大な影響を与えて…
料理人として働いていた彼女は,腸チフスの無症候性キャリアとして,本人に自覚のないまま雇い主の家族ら50人近くに病を伝染させた‥‥20世紀初め,毒を撤き散らす悪女として「毒婦」「無垢の殺人者」として恐れられた一人の女性の数奇な生涯に迫る.エイズ,鳥インフルエンザ,新型コロナウイルスなど,伝染病の恐怖におびえる現代人にも,多くの問いを投げかけている――. 料理人メアリー・マローン(Mary Mallon)の生涯そのものが多くの謎や矛盾に満ちている.彼女が"腸チフスのメアリー"として象徴されるようになった背景には,単なる感染症の話にとどまらない,多層的な意味が見出される.メアリーが働いていた20世紀…
主に分析哲学史についての巻だが、分析哲学以外の章と、あとコラムをいくつか読んだ。 総論 科学の世紀と哲学 飯田隆 自然科学の哲学 ドイツ語圏における展開 今井道夫 フランスにおける展開 小林道夫 フレーゲ 金子洋之 ラッセル 戸田山和久 コラム1 「概念記法」・伝統的論理学・論理代数 金子洋之 数学基礎論の展開とその哲学 岡本賢吾 ウィトゲンシュタイン 前期 野村恭史 後期 丸田健 コラム2 ジャン・カヴァイエス 小林道夫 コラム3 両大戦間のポーランドにおける論理学と哲学 加地大介 ウィーン学団とカルナップ 蟹池陽一 コラム4 エアーとウィーン学団 蟹池陽一 コラム5 戦前日本の言語哲学・科…
2か月ぶりの古本報告です。4月は二つの大きな古本市がありました。 まず阪神百貨店の古書ノ市には、初日の朝、大阪で会社OB麻雀会があり、1時間ほど時間があったので覗いてきました。 オヨヨ書林の出品コーナーからは、 原葵『くじら屋敷のたそがれ』(国書刊行会、20年10月、800円) 小野恭靖『ことば遊びの世界』(新典社、05年11月、500円) →こんな本が出てたのは知らなんだ。判じ物や漢字遊びなど例が豊富。 ワールドエンズガーデンからは、 金森修『ゴーレムの生命論』(平凡社新書、10年10月、400円) 関根正雄訳『旧約聖書 ヨブ記』(岩波文庫、92年2月、300円) →「コヘレトの言葉」と共通…