父の命日でした。29回忌。前日に母に「明日は父さんの命日ですよ」と伝えると「そう! お父さんはなにが好きなんだっけ?」「ビールをお供えしたら喜ぶんじゃないかな。冷蔵庫の野菜室に1本入っていますよ」「わかった。それをお供えしたらいいね」と母。ずいぶん前に、母は父の命日なんて忘れてしまったし父の好物もすっかり忘却の彼方です。 「鮎が恋人」と言って憚らなかった父。でも、太公望なことだけは決して忘れないよう。母いわく、父はあの世でも、今も毎日釣りに出かけているそうです。よく仏壇で「今日はどこに行ったの?」「釣れた?」と尋ねるそうな。亡くなって30年近いというのに、いまだに「お父さんはどうしてあんなに釣…