今回は鈴木大拙がアメリカ生活を経て日本に帰国してからの内容です。 大拙が帰国した1909年は明治42年、第一次世界大戦(1914年)よりも前のことですから、今の私たちからすると想像できないほどの古い話で、こんな時代に大拙のような人が日本にいたというのはすごいことだと思います。 しかし帰国後すぐには仏教研究者になることはできず、英語講師を10年程していた時代がありました。日本では、仏教の専門家になるとは出家することであり、仏教を学問的に研究するというのは近代に入ってからのことですから、そういう意味でも先駆的だったと言えるでしょう。 ③ 帰国後の修行、後の本格的な仏教研究と英語での著述活動 帰国し…