これもオタどんの一箱古本市に出たかもしれない一冊。南坊城志乃夫・堀池もろは編『鈴蘭詩集第一輯』(鈴蘭草舎、大正13年11月)。146頁、頒価40銭。どこの図書館にも無いようだ。発行者は京都市上京区の鈴木覚太郎で、発行所である鈴蘭草舎の所在地も鈴木の住所と同一である。大正13年11月付けの「序」によれば、『鈴蘭』が創立1周年を迎え、12輯までに発表した詩のみを選んだものだという。編者の2人南坊城・堀池や発行者鈴木(号夢泉)は不詳。少なくとも三高や京大の卒業生ではないようだ。 そもそも『鈴蘭』は、よくある学校の友人が集まった同人誌ではなさそうである。詩の部の最後に載るのは、石川虎吉の「民謡 護謨山…