有栖川有栖『長い廊下がある家』『妃は船を沈める』(光文社文庫) カルロ・ギンズブルグ『糸と痕跡』(みすず書房) 有栖川有栖『長い廊下がある家』『妃は船を沈める』(光文社文庫) 「いい心掛けだ。力余って尻餅を搗くようなスイングは見ていて気持ちがいいからな。もっと大きなものをひっくり返してくれ。有栖川有栖ならできるだろ。マジックじゃなくて、イリュージョンが見たい」 ――「長い廊下がある家」 「なんて不思議な推理でしょう」目が虚ろだった。「砂の上に築かれた楼閣なのに、ちゃんと建っているように見える。建つわけないのに。あなたは、どこからでも、どうやってでも、解いてしまうんですね」 ――「残酷な揺り籠」…