十二時辰というのは、干支の十二支を二十四時間に当てはめて一日の時間を示す方法です。日本でも江戸時代には誰もがこの「十二時辰」を使っていたのに、今では全然使いこなせない。『長安二十四時』は時間が主役のようなドラマで(原題はそのものズバリの『長安十二時辰』)、各章のタイトルはこの十二時辰が使われています。 こんなふうにね。カッコいいんだこれが。毎回、司天台報時博士の龐霊が、漏刻の目盛りを見て太鼓をたたきながら朗々と時刻を知らせるのです。 この「巳正 大荒落」というタイトルは第一話のもの。(「大荒落」は巳の刻の古異名)「正」というのは、一刻の真ん中の時間。一刻を半分に区切って「初刻」「正刻」と呼びま…