山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(40) 今回は、第4章 機械としての生命 第4節 さまざまな力学系モデル の続き「カウフマンの集団的自己触媒系と自律体」(p.208~)である。 従来の力学系モデルにおける自己組織化論は、…「自己組織化」と言いながら、「組織化」の方に理論が集中しておい、「自己」の形成についての十分に考察された理論が存在していない。 近年のバイオインフォマティクスでは、遺伝子制御ネットワークや代謝ネットワーク、シグナル伝達ネットワークなどの詳細が具体的に調べられており、それらの経路図が作成されているが、そうした異様なまでの複雑な経路を見たとき、我々は「それがいっ…