今から約10年前、長年にわたる自身の社会的行き詰まりを脱すべく、生活困窮者自立支援制度創設の一報を知っておずおずと市役所へ相談に乗り込んだとき、それは大きな転機となりました。 生来あまりに内気で端正、有名中学進学でいっそう浮世離れし、年相応の青年としての成熟も遅れ、迷走続きのままあてもなく卒業。大学も文学部で、実社会と疎遠な左翼学者らの斜に構えた逃げ口上を伝染(うつ)されただけで就職失敗。 バブル崩壊からネット社会への大変革期に見事に取り残され、親も昭和で思考停止。2000年代の初めには、苦し紛れに引きこもり自助会へ出て失敗したことも。 仕事も次第に物流倉庫作業に限定され、辞めるたびに親元での…