■浪江町の概要 浪江町は、福島県の浜通り(太平洋沿い)にある町――というのは、あまりにもいまさらすぎるとして、まずは、近世~近代の成り立ちを簡単になめる。 江戸時代、現在の浪江町の中心市街地に位置する権現堂地区は「高野宿」と呼ばれ、宿場町を形成していた。安政 6 年(1859年)大火災が発生し、高野宿はほぼ全焼する。 この大火をきっかけに街並みは抜本的に作り変えられ、宿場町でなくなったことで、新たに「浪江」という名称が定着する。これが、いわゆる名称としての「浪江」の起源にあたる。そこから第二次世界大戦後まで、「浪江」とは、いまの権現堂地区あたりを指す。 これが戦後の町村合併促進法により、請戸村…