夜7時ごろの電車の車内でのこと。ドアが開いて若い男性が顎マスクでおにぎりを食べながら入ってきた。わたしの座っているのは優先席の一番奥。ポツポツと座席は空いていたが、立っている人もかなりいた車中で、彼はおにぎりを頬張り続けながら私の前に立った。『いやだな~』そんな顔しながら彼を一瞬見上げたけれど、反応はない。何か言うのも怖い。座席移動もしたくないし、しばらく考えた末にバックの中に感染防止力の強いマスクを常備していたことを思い出し二重マスクにした。私としては穏やかに拒否反応を示したつもりだった。 彼はお握りを食べ終えた。それでおしまいかと思ったら、右手にぶら下げていたコンビニの袋に左手を突っ込んで…