岩波文庫142ページ「これよりのちは、さ生死に流転(るてん)せず、不生不滅の性海(しょうかい)に証入するなり。このほかは真実にあらず。この性あらはさゞるほど、三界六道は競起(きんき)するといふなり。これすなはち先尼外道が見なり」 (悟って常住、永遠の霊となれば)その後、生死を繰り返すことはない。生まれるとか死ぬとかの無い世界にあきらかに入るのである。これ以外の考え方、あり方は真実ではない。この真実が現れなければ、欲界・色界・無色界や地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上などの世界が競うように沸き起こる(常住ではない)という。これがすなわち先尼外道、仏教ではないものの考え方である。 生死に関わらない…