日本最古の和歌集「万葉集」には恋の歌がたくさんある。 好きな和歌はいくつもあるが、これはなかなかよい。 君が行く 海辺の宿に 霧立たば 吾が立ち嘆く 息と知りませ 初めてこの和歌を知ったのは、大学の授業だった。 先生が新聞紙を広げて、広告欄にこの和歌が載っているというのだ。 あのときの先生の「どうだ、いいだろう!?」と言って、満足気な表情をしていたのが今でも脳裏に焼きついている。 ★★★ 「万葉集」は全20巻で、約4500首もの和歌が収められている。 冒頭の「君が行く・・・」の和歌はその15巻目。 第15巻の前半は、遣新羅使たちの作品が中心だ。 遣新羅使というのはあまり聞き慣れないが、遣唐使と…