「天安門ファイル―極秘記録から読み解く日本外交の「失敗」」城山英巳 <所感> 1989年6月4日の天安門事件の前夜とその後の日本の判断の考察のために、当時の外交官の極秘記録を丹念に振り返った本。 本書は日本の判断を批判するものではなく、どうしてそのような結論に至ったかのかに着眼を置いている。 ポイントは以下。 ①チィナスクール外交官は天安門事件が起きても中国を「自分たちにとって望ましい中国」になりうるとみていた。 ②戦争の呪縛から逃れられず中国共産党に配慮ばかりした。 しかし①は人権侵害軽視だし、②は支那事変(日中戦争)の実態をみると中国共産党のプロパガンダにやられていると言える。 当時の判断…