なんとなくそこにあったから読んだ本。 と言ってはお恥ずかしいほどに、これが本当に面白くて、コメディドラマの映像が浮かんでくるほどだった。 短編小説『鼻』("Нос" , 1836)鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫)作者:ゴーゴリ光文社Amazon 舞台はロシアのペテルブルグ。 青天の霹靂ともいえる朝の出来事は、カフカの『変身』とは似て非なるものである。 簡単にいってしまえば、 ある朝起きたら、鼻がなかったという人のお話。 その名はコワリョフ、八等官。彼の鼻を発見したのは床屋のイワン。イワンがある朝、妻の焼いたパンを切ると、なんとその中から、客であったコワリョフの鼻が出てきたというわけだ。…