新作の構成がまとまった今、音楽の群衆を一人一人描いている。彼らは一人一人、固有の感情ですすり泣いていなければならない。それを音符で描く。時間のかかる地道な作業。構成を試行錯誤していた段階では没にするかも知れない断片の、細部まで緻密に書くことは無駄になる可能性が高い。背景となるパートほど、取りあえずあり合わせの音をざっと置いておき、全体像が決まったらきちんと直す。言わば、音楽の身だしなみ。化粧次第で別人の様に豹変するのはオンナ…そしてオンガク。一本のごく単純な線が、背景によって異化することを願う。 敢えてつながり難いモチーフを並べてもみた。それをどうつなぐか。難局面を切り開くために新たなテクニッ…