アカデミー音響賞(Academy Award for Sound Mixing) 1930年に設けられた。カテゴリ名はもともと"Sound Recording(録音)"だったが、1958年度から"Sound(音響)"に改められ、さらに2004年度からは"Sound Mixing"に変更されている(本来なら「ミックス」あるいは「ミキシング」とした方が近い)。
※映画『関心領域』についてネタバレを含みます。この映画におけるネタバレってなんだよ。 映画『関心領域』を見た。 映画『関心領域 The Zone of Interest』オフィシャルサイト 2024年全国公開 (happinet-phantom.com) はじめに:これユーロスペースで見せられるヤツちゃうん? 「凡庸な悪」ではなく ホロコースト表現はわかりにくい パレスチナにおける関心領域 はじめに:これユーロスペースで見せられるヤツちゃうん? 昨年のアカデミー賞で複数部門のノミネートされ、国際映画賞と音響賞で受賞したことからか、全国のシネコンで5月下旬から上映されている。筆者も川崎の109シ…
アウシュビッツと塀一枚を隔てた、プールや温室も備えた庭付きの邸宅。収容所所長のルドルフ・ヘス一家の住まい。使用人もたくさん雇い、戦時中だが物資に恵まれ、子どもたちも元気に自由に生活している 塀の向こうからは、時折、怒号と銃声、悲鳴。その先には、囚人をピストン輸送する蒸気機関車の煙と、終日終夜止まることなく「荷物」を処理する焼却炉の噴煙 ルドルフの転属が決まる。昇進を伴う栄転なのだが、今の暮らしを失いたくない妻は、単身赴任を望む 肺を患う母は、煙と音を嫌い、理想の家から黙って立ち去る 概ね周囲の環境音だが、時折の無音や、不穏な劇伴が不気味さを引き立てる 終盤、ポーランドのユダヤ人を一掃する作戦の…
今回は映画『関心領域』についての感想記事になります! この規模の洋画を扱うのは久々かもしれんの カエルくん(以下カエル) なんか、映画界隈で盛り上がっているらしいので、喜んで見に行きました! 亀爺(以下亀) 今回は前半が映画としての今作の評価、後半が映画を通して主が感じたことと言う形で書いているの カエル「その意味では、ほとんどの人に後半は無意味に感じるかもしれません。 単純に映画の評価が知りたい方は前半のみを読むことをお勧めします」 亀「それでは、早速じゃが記事をスタートするかの」 この記事が面白かったり、感想があればTweet、ブックマークをお願いします! Xでの短評 感想 今作が”映像表…
5月上旬の日記(2024年5月1日から5月15日分) 5月16日日付が変わってからいつも通りのルーティンで15日までの上旬の日記をはてなブログにアップして、半年前のものをnoteにアップした。すぐに眠れなかったので、フィリップ・K・ディック著『ジャック・イジドアの告白』の続きを少し読んだ。ディックの自伝的作品でSF要素があまりなく、純文学的なものだと書いてあった。昔は『戦争が終わり、世界の終わりが始まった』というタイトルで刊行されていたらしい。母が亡くなる夢を見た。母は何かの事故に遭ってしまい、顔の一部を失って削がれるようにして死んでいた。だけど、その母は僕の母ではない女性だった。しかし、夢の…
シャンテで映画『関心領域』 ジョナサン・グレイザー監督。 A24の作品だと映画館で知りました。 第2次世界大戦下のアウシュビッツ強制収容所の隣に住む所長(司令官)のルドルフ・ヘス(クリスティアン・フリーデル)と妻のヘートヴィヒ(ザンドラ・ヒュラー)と子どもたち家族の日常を描いたイギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、ジョナサン・グレイザー監督が10年の歳月をかけて映画化した作品。 「第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞して以来、各地の映画賞を続々受賞し第81回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)ほか3部門にノミネート、第77回英国アカデミー賞では英国作品賞、外国語映…
こんにちは。 3か月ほど前、このブログの第232回(2024.2.2)でアカデミー賞の候補にもなって話題となった映画「PERFECT DAYS」についてレビューしました。結果的にはこの作品は賞には輝きませんでしたが、個人的には非常に印象に残る映画でした。役所広司さんの演技や現代の東京という街の描き方を含めて、何度も頭の中で反芻したくなるのです。まだ見ておられない方は、ぜひご覧になることをお勧めします。 ところで、この映画、ノミネートされていたのは「国際長編映画賞」という部門だったのですが、この部門で見事受賞し、さらに「音響賞」も獲得したのが「関心領域(The Zone of Interest)…
映画「関心領域」(原題:THE ZONE OF INTEREST、2023)を見る(MOVIXさいたま)。マーティン・エイミスの同名小説を原案に、第2次世界大戦下でアウシュビッツ強制収容所に隣接する屋敷で暮らす家族の平和な生活を描く。 ナチスドイツ親衛隊(SS)のアウシュビッツ収容所の隣に住む所長一家の生活を描きながら戦争、残虐なシーンが一切なく「見せない」ことで想像させる恐怖を描く。 監督はジョナサン・グレイザー。出演はクリスティアン・フリーデル、「落下の解剖学」のザンドラ・ヒュラー、ラルフ・ハーフォースら。 ・・・冒頭の数分間「オ〜オ〜オ〜」という抑揚のない合唱と伴奏の音だけが鳴り響く。や…
※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。作品名:関心領域 (映画 2023年) 評価:★4(★★★★☆) リンク:https://happinet-phantom.com/thezoneofinterest/先日(5月24日)に公開が始まったばかりの映画「関心領域」を観てきた。平日の鑑賞だったが公開初週ということもあってかなかなかの客入りで、年齢層は高めだった。【作品概要 (公式ページより)】 空は青く、…
先週の金曜日は映画三昧の一日でした。三昧と言っても仏教の『精神集中が深まりきった状態』ではなく、俗用の方で、映画を楽しみました。 1本目は、毎月開催されている江東シネマでの「月はどっちに出ている」。1993年公開だから31年前。在日コリアンのタクシー運転手とフィリピーナの恋を軸に、在日外国人をはじめ東京に暮らす様々な人々のたくましい日常をシリアス、かつコミカルに描くドラマ。梁石日の『タクシー狂操曲』が原作。役者は、岸谷五朗、遠藤憲一、麿赤児、國村隼・・。現代の邦画を代表する方ばかり・・。フィリピンパブのホステスのコニーを演じたルビー・モレノさんの、あの独特な関西弁は暫く、耳に残りそうである。 …
2024.05.25 初回鑑賞 ジョナサン・グレイザー監督/イギリス/2023年 アウシュビッツ収容所のすぐ隣で暮らす、収容所勤務のルドルフとその家族の幸せな日常を淡々と描いた映画。収容所側の風景は一切映さず、収容所でどんな残酷な行為が行われているかは観ている側の想像に任せられる。 正直に言えば歴史に詳しくないこともあって、鑑賞中は各場面の意味・重みが分からず少し退屈してしまった。多分もっと収容所側の映像もあって、緩急の激しい映画を期待していた。でも後から思えば、そういう残酷な映像を期待していたってのが、すごく恐ろしいことに感じたというか…史実を基にした話なのに自分に関係ないだけでこうも冷酷に…
ランキング参加中映画 ランキング参加中洋画 ランキング参加中【公式】2022年開設ブログ 大阪ステーションシネマで8時15分からの部を鑑賞。観客はどっちかというと若い人が多かった。60名ぐらい。 映画.COMから 「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」のジョナサン・グレイザー監督がイギリスの作家マーティン・エイミスの小説を原案に手がけた作品で、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリ、第96回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人びとを死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く。 …
先週末に観た映画1本目は「関心領域」です。アカデミー賞も受賞していますし、公開を心待ちにしていた映画です。音響賞を受賞しているのも納得の、音でいろんな事が表現されている作品になっています。この作品を自宅で観ていたら(自宅の環境はいろいろでしょうけど)全く違う印象を受けていたのかな?と思わせられました。作品はアウシュビッツ収容所の隣に住んでいる家族のホームドラマのような作品になっていて、一見普通のホームドラマなんですが、家の隣がアウシュビッツなので、悲鳴や銃声が聞こえたり、川で遊んでいたら灰(死体を焼いた灰)が流れてきたりする、という異常な状況になっています。途中で、家族の妻の母親がこの家に遊び…
1945年。幼い子どもたちは美しい花が咲き誇る庭やプールではしゃいで遊び、休日になると皆で近くの川に泳ぎや釣りに出かける。そんな幸せいっぱいのドイツ人一家は、アウシュビッツ強制収容所のすぐ隣に住んでいた―。 映画『関心領域』は、『セクシー・ビースト』(2000)、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2014)などの作品で知られる英国の鬼才ジョナサン・グレイザー監督がマーティン・エイミスの小説を原案に2年のリサーチを経て製作した注目の作品だ。グレイザー監督は今作でもその独創的な手法で、人間の本質を鋭く見つめている。 youtu.be 『コールド・ウォー』(2019年)、『イーダ』(2015年)で…
犬や赤ん坊は嫌な物から目を伏せることにより、それが存在しないことにしようとする、それはピュアな赤ん坊や犬の行動、、、それが考える力を持った大人が行うことにより、思考停止、無関心こそが悪となる、、、 昨年のカンヌで<落下の解剖学>とパルムドールを競いグランプリに輝き、ザンドラヒュラーは両方の作品で主演を務め、アカデミー賞では外国語映画賞と音響賞を受賞した、、、待ちに待っていた<関心領域>が公開されたので早速観に行った、、、が、たぶんボクはA24とは相性が悪いのだと思う、A24的なものが好きな人がいるのは分かるのだが、ボクには向かないと改めて確認した、、、 オープニングで長い長い黒味、両サイドから…
『関心領域』 www.youtube.com 「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」のジョナサン・グレイザー監督がイギリスの作家マーティン・エイミスの小説を原案に手がけた作品で、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリ、第96回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。 ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人びとを死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く。 タイトルの「The Zone of Interest(関心領域)」は、第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群…