佐渡には現存する能舞台が35あります。 能楽が暮らしの中に溶け込んでいる全国でも珍しい土地。当時は武士だけでなく庶民にも広く能が広まり、市井の人々が舞い謡い観る民衆能であることが特徴です。祝言の席や新築祝いなどで決まって謡が聞こえたといいます。 鶯(うぐいす)や十戸の村の能舞台 明治大正時代に活躍した歌人大町桂月(おおまちけいげつ)が佐渡民衆能の特徴を詠んだもので、わずか十戸ばかりしかない農村集落にも能舞台がある様子を表現しています。 佐渡に民衆能が広まった理由 佐渡は能の大成者・世阿弥の配流先として知られていますが、実際に普及したのは江戸時代初期からのようです。 佐渡金銀山の発見により幕府の…