顎関節症は基本的に腰や肩、膝などと同じ運動器の疾患です。ですので腰痛や肩こり、膝関節痛と同じように運動療法が有効であるというのが世界的な考え方です。ただ顎関節は頭部における唯一の滑膜性関節であり,左右の下顎頭が共同で動き,回転と滑走運動が可能な多軸関節であり、また,歯列が運動を誘導し,停止させることから,顎関節の個々の構成要素と,上下の歯列および歯の咬合接触状態は極めて密接な関係があるなど,他の関節にない特徴を有しています。そして開閉口時の顎の動きを決定しているのは,下顎頭を包んでいる関節円板と,関節包であり,関節の中の形態変化により顎の運動も変化します。特に関節円板の転位,変形の状態により開…