序文 本書は暴力とかいじめなど、人間のおぞましい行為に関して、四つの視点から検討したものである。それらがおかしなこと、間違った行為である、というのではなく、「人間の自然な行為」であることを説明しようとしている。この点で、一般の方々を不愉快にする恐れもある。しかし、いままでの歴史や現状を良く見れば、このことは納得できるはずである。また、「どうしたらよいのか?」という対策より、「どうなっているのか?」という《からくり》を探ることに力点が置かれている。 人に好かれ、尊敬される者にとって社会は楽しいものになるが、人に嫌われ、いじめられる者にとって社会は地獄と成り果てる。本書は、このような問題を抱える者…