パワー半導体デバイスのスイッチングを利用して電力変換を行う電力変換装置の交流入力及び交流出力側には,種々の高調波が発生する。 交流入力側である電力系統では,コンデンサのような高い周波数でインピーダンスが低い機器に高調波電流が集中して加熱したり,高調波電流と系統側のインピーダンスによって高調波電圧が発生して,系統につながる機器全体に影響を及ぼすことがある。 一方,交流出力側では,PWM 制御を行わない 180° 通電方式の三相ブリッジ接続インバータによって電動機を駆動する場合には,出力基本波周波数の 6 倍の周波数トルクリプルが発生し,電動機の振動などについて対策が必要となることが知られている。…