夜来の雨でやや荒れた風情の庭のぎぼうし 庭は、ちょっと荒れたくらいが、良いですね。 さて、七月の歌仙の会、新たな始まりです。当季の夏の句で。 発句 工房に鉋百丁青葉冷 中江 木地師の工房でしょうか。使い込まれ、研がれて並ぶ百丁もの鉋。金属の匂いがするような存在感です。青葉との対比はもちろん「冷え」なのが金属の冷たさと通底するものがあって効いています。さて、脇句は。 髪切虫の右往左往に 佐藤 刃物からのれんそうで「切り」がでてきたのでしょう。右往左往も面白いけど、右顧左眄でもひげを震わすカミキリムシらしい気もしましたが。 橋いくつ風にのりくる木霊とも 笹次 この橋はヴェネツィアのような水の都の橋…