縄文社会論にとって、邪馬台国論争は無関係と思われるかもしれませんが、魏書東夷伝倭人条が紹介するようにこの国には3世紀に邪馬壹国の女王国があり、しかも記紀(古事記・日本書紀・風土記)によれば各地に女王国(図1・2参照)があり、魏皇帝は「鄭重賜汝好物」(鄭重に汝の好物を賜ふ)として卑弥呼に大量の絹織物・絹布(紺地句文錦三匹、細班華罽五張、白絹五十匹)や銅鏡百枚、真珠鉛丹五十斤(25㎏)を贈っているのであり、卑弥呼だけでなく邪馬壹国連合を構成する30国の王もまた女性であったとみて間違いありません。中国の粉のように「朱丹塗其身體」というのですから、鉛丹は女性用の贈物でしょう。男性用の贈物であることが明…