“朋(とも)遠方より来る。また楽しからずや” と古典にある。この気分を十分に味わう旅をした。“友を誘い、古き友らを遠方に訪ねる。大いに楽しからずや”。萩と周防への旅だった。 48年前に常陸野の小さな農学校で出会い、寝食を共にし、兄弟姉妹以上の親密な交友をした同級の友垣。身心とも丸裸で付き合った友らと、10数年ぶり、30年ぶり、45年ぶりの再会は、一瞬にして昭和50年にタイムスリップ。現実は70歳目前の老人6人ながら、夕餉の乾杯の後は青年の気概が蘇ったかのよう。顔つきまで若返った。2夜の酒盛りのなんと楽しかったことか。 鯉淵学園という農業と食生活を学ぶ「各種学校」。昭和20年創立のこの学校は、自…