こんばんは、紫栞です。 今回は櫛木理宇さんの『鵜頭川村事件』(うずかわむらじけん)をご紹介。 あらすじ 昭和54年6月。岩森明は墓参りのため、幼い娘を連れて亡き妻の生まれ故郷である鵜頭川村を三年ぶりに訪れた。 しかし運悪く、訪れたその日に豪雨にみまわれ、土砂崩れで村は孤立してしまう。さらに、村民である若者の他殺体が発見された。 誰もが犯人は凶暴で村の鼻つまみ者である大助ではないかと疑うが、大助は矢萩工業の社長で村の支配者である矢萩吉朗の息子であるため、大人たちは保身のために口を噤む。子供たちはそんな大人たちに失望し、閉鎖された空間の中で怒りを募らせていく。停電と断水をともなう孤立状態は、村を支…