元禄15年11月15日。夜、鍛冶屋町から畠への途中で25、6女が首を切られて死んでいた。帯が解け、枕があった。暗くなってから男が長持ちをかついで女を連れていた。武平町下で道すがら女と争った。女は家へ帰ると言うのに無理やり御器所へ連れて行く男を見た者があった。それがこれであった。その側に大根が一束があった。これは御器所の小便取のもので、この夜死体を見て驚き、大根を捨てて逃げ去ったと。それを翌日申し出て、大根を持って帰った。
元禄15年11月5日。夕暮れから文左衛門は十兵へ出かける。加兵・忠兵家内・渥美源兵がやって来る。煙草屋十兵衛が浄瑠璃を語る。子(午後11時)過ぎに帰る。