元禄15年12月20日。昨夜、大岡又右衛門が小便に出て、たちまち卒中で倒れる。気を失くして縁の下へ落ちる。その時脇差が抜けて、衣服ごしに片腹を2、3寸(1寸は約3センチ)突いてしまう。この日、彦兵殿がやって来て死骸を見られる。死んでから落ち、そして突いたので血もあまり出ず。疑うところはないと云々。世間では金5両に困っての自殺というが間違いである。少し前、津田九郎兵衛屋敷に妖怪が出る。新しい屋敷が一夜で煤け、夜のうちに台所に穴ができると。これは古い井戸の跡かと。七ツ寺で祈念すると、火事が祟ると。かつて伊予守で火事があり、ここへ移ったかと思っているとまた屋敷がはなはだ音を立てる。裏の土屋半之右衛門…