元禄16年11月22日。丑2点(午前1時半頃)、地震があり、かなり長く揺れる。余震もある。文左衛門は起きて母親のところへ行く。庭池の氷は砕け、水も吹き出しで濁流のようであった。18年前の8月16日辰刻(午前7時)の地震よりも長く揺れる。丑半刻(午前2時)には遠くで響くような音がして、後で聞くと光物が飛んだと。明け方まで少しずつ3度揺れる。甚目寺の仁王は転倒し、足が傷つく。尾侯の屋敷では市谷屋敷の乾(北西)隅の石垣が崩れ、その他も所々崩れる。雨水もこぼれ、10の内5つの桶が落ちる。戸障子はずれてしまい、永らく開けることもできず。対面所やその他書院の張付(壁)は縦横に裂ける。壁の上塗りは全て落ちて…