元禄17年3月6日。明け方、揺れがあったと。近頃、萱場の池に22、3になる女が水に放り込まれていた。美しい女だと。絹の下帯に木綿の衣類、鼻紙袋などがそのままにしてあった。この3日まで松平善左衛門のところに奉公していた女であった。