正徳2年5月2日。岩村浪人の娘で奥田弥左衛門妻が大病を患う。物の怪だと大騒ぎになり、諸寺の僧が祈祷を行い、岡部藤左衛門・三宅□が汗を流して鳴弦(弓の弦をはじいて行うまじない)などを行うが効果がなかったと云々。この後ある僧がやって来て病人の話を聞き、事情を知った。妻が言うには自分は岩村の某が母である。自分の子は妻の父某のために非道にも殺され、自分は今とても困窮している。その恨みは骨の髄にまで達し、この女に付いて悩ませていると云々。僧が言うには過ぎたことを考えても仕方がない。当時の話を聞いて、子のことを心を込めて弔おうと。妻は泣いて話をし、米1石と金4両を欲しがったと。このため米と金を遣わせると岩…